島で保護された猫と暮らす家である。海を眺められる景観と、奥まで光の届く長手方向。その条件を生かした。眺めのよいリビングには、来客が多い。

猫の造作はすべて白とし、壁に同化させた。人の目に障らせないためである。

運動量の多いこの猫にとって、寝室から廊下、リビングへと続く長さは運動場になる。壁面のステップと登り柱が疾走の勢いを登りに変え、建具の上を越えて書斎へ抜ける。

リビングと一体に使う書斎には、家族の仕事に立ち会う席の「監督席」窓周りと本棚に設けた。来客時は「隠れ家=観察基地」に変わり、くぐり戸から姿を見せずに客を眺める。災害時は自宅避難・飼育の空間としても機能することになる。

眺める、立ち会う、隠れる。猫がそのつど選べる住まいとした。

Renovation/ねことりびんぐ/神奈川県
内装設計・監理:金巻とも子
施工:TIC HOM
竣工:2026年3月